「プロジェクトX」のこと          2005/6/8

はじめにお断りしますが、これは調律日記ではありません。
強いて言えば合唱の話題ですが、言いたいことは合唱のことでもありません。

ちょっと前になりましたが、NHKのテレビ番組「プロジェクトX」で、淀川工高合唱部のことが取り上げられました。
合唱を趣味とする僕としてはとてもうれしかったし、番組の内容もなかなか感動的で、好意的な番組に仕上がってました。
ただ、その内容の一部に事実と異なる、かなり誇張した部分があるということで、確か、工高の校長先生やOBの方などからクレームが出て、結局NHKはその非を認め、後日の番組で訂正と謝罪をしたというものだったと思います。

このことについて、僕がいまさらいいとか悪いとか言うつもりで取り上げたわけではありません。強いて言えば、「僕の好きな合唱のことを取り上げてくれてありがとう」という気持ちが正直なところです。問題の部分についてはおいておいて、の話ですが。

僕が昔好きだった番組に「世界の車窓から」というのがありました。「好きだった」というのは、今のこの番組はもう前のように好きではなくなったからです。
昔の「世界の車窓から」のどこが好きだったかというと・・・
あの番組は初期の頃はそれこそ番組の5分か10分かの時間中、ずっと列車の窓からの景色を延々と撮り続けてるだけの番組だったんですよね、たしか。何も編集も、誇張も、切り捨ても、少なくともその時間中はほとんど加工無しだったんですね。
僕はその加工無しの映像に、その土地の真実がよく見えていたようにいつも感じて、とてもおもしろかったのです。
山も、川も、家も、工場も、きれいな景色も、ごみごみしてる風景も、取捨選択せず全て見せてくれる中で、それを見る人はその土地の様子をリアルに感じられるんだと思うんです。
現在のこの番組は、過去のこの手法ではなく、ごく普通(?)のその国、その土地の紹介番組みたいになってます。
そこには、その映像を選び取る人の恣意が入ってるわけですね。「ここはこんな土地柄なんですよ。」ということを、それがよくわかる映像を集めて、僕らに紹介してくれるわけです。
僕はそれがいやなんです(^ ^;)。
どんな土地かは全て(少なくとも、無作為に)見せてくれた上で、僕が判断したい!・・・って僕は思うんです。

マスコミの人は、きっと親切で「ここの土地は結局こういうところなんだよ。」とか、「この問題は結局この人が悪くて、この人が被害者で、こうなってるんだよ。」とか、そしてそれを説明するために、いろんな映像や細かい事実を集めて見せてくれるんですよね。
う〜ん、でもその結論の部分がもし間違っていたら誰の責任?って。
もっと言うと、その集めてきた映像や細かい事実には、その集めた人の恣意が入ってるでしょ?って思うんです。


僕はだから、電車に乗ったとき、あるいは車でもそうですが、外の景色をただじぃっと見てるのが好きなんです(^ ^)。


ごめんなさい、ピアノのことでも、音楽のことでもなかったけど、たまにはこういった話も是非聞いてほしくって書きました。

あと、あえてもうひとつ付け加えますと、僕はあの「プロジェクトX」という番組は、我々日本人を、特に脚光を浴びないで、それでも熱く燃えてがんばってる人たちを応援し、励ましてくれてるとてもいい番組だと思っています。だから、これからも期待してるんです。
(う〜ん、でもそろそろネタ切れなんだろうか・・・残念だけど。)


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